2024年8月において、sbi証券でCboeの取り扱いの開始が発表されました。株式市場としては大きな市場ですが、聞きなれない単語だと思われます。
そこで今回は、Cboe について解説します。
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Cboeの概要と歴史
Cboe(シボー)とは、アメリカの大手取引所の一つで、特にオプション取引に強みを持つことから、個人投資家から機関投資家まで幅広い層に支持されています。正式名称は「Chicago Board Options Exchange」で、シカゴを拠点にしていることからその名がつけられました。現在は、単に「Cboe」と呼ばれ、株式、オプション、ETF(上場投資信託)など、多様な金融商品を取り扱っています。
Cboeは、1973年に設立され、オプション取引に特化した最初の取引所としてスタートしました。それまでオプション取引は非常に限られた市場でしか行われていなかったため、Cboeの登場は金融市場における大きな変革をもたらしました。
設立当初から、Cboeは投資家に多様な取引手段を提供し、特に株式オプションにおいてその地位を確立しました。株式オプションとは、特定の株式を一定の価格で将来買う権利(コールオプション)または売る権利(プットオプション)を売買するもので、リスクヘッジや投機目的で広く利用されています。
Cboeの取扱商品
Cboeは、単なるオプション取引所にとどまらず、現在では多様な金融商品を提供しています。株式、ETF、オプション、先物、さらには暗号資産の取引まで幅広く対応しており、投資家の多様なニーズに応えています。
1. 株式取引
Cboeでは、ナスダックやニューヨーク証券取引所(NYSE)と同様に、一般の株式取引が可能です。多くの個別株が上場されており、米国を代表する企業から新興企業まで、さまざまな選択肢が揃っています。
したがって、Cboe自体が株式投資することができます。また、SBI 証券では新NISAでの活用もできるためキャピタルゲインについても非課税とすることができます。
【現在のCboeの株価はこちら】
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2024年版 CBOE:シーボーの株価・配当金の推移と銘柄分析
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2. オプション取引
Cboeの最大の特徴は、やはりオプション取引です。Cboeは世界最大のオプション取引所であり、特に米国株式のオプション取引においては圧倒的なシェアを誇ります。個別株オプションだけでなく、S&P 500やVIX(ボラティリティ指数)に関連するオプションも取り扱っており、リスク管理やレバレッジを効かせた投資が可能です。
3. ETF取引
Cboeは、数多くのETFが上場している取引所でもあります。ETFは、複数の銘柄に分散投資できるため、リスクを抑えつつ特定のテーマや市場に投資する手段として人気があります。Cboeでは、特にテーマ型ETFやスマートベータ型ETFなど、個人投資家にとって魅力的な商品が豊富に取り揃えられています。
SBI 証券ではこのようなETFについては新NISAでの活用はできるものとできないものがあります。
4. 先物取引
Cboeでは、VIX先物やビットコイン先物といったユニークな先物商品も取引可能です。これらの先物は、相場変動や市場のボラティリティに対するヘッジ手段として利用されます。
Cboeに上場予定の取扱銘柄の特徴
Cboeには、常に新しいETFや金融商品が上場されています。その中でも、投資家から特に注目されているのが、以下のようなETFです。
1. 『モート(MOAT)』に着目したETF
モート(MOAT)とは、企業が競争優位性を維持するための「堀」のようなもので、著名な投資家ウォーレン・バフェットが注目している投資概念です。モートを持つ企業は、他社からの競争圧力を受けにくく、長期的に安定した利益を上げることが期待されます。Cboeに上場予定のMOAT ETFは、このような競争優位性を持つ企業に投資することができるため、長期投資に適していると言えます。
2. バッファーETF
バッファーETFとは、相場下落時に投資効果が高まる設計がされたETFです。例えば、一定の下落幅までは投資家が損失を被らないように設計されており、その分上昇時の利益が限定されるという特徴があります。今年の夏、アメリカではバッファーETFに多額の投資資金が流入し、注目を集めました。特に、リスクを抑えながら相場に参加したい投資家にとって、非常に魅力的な商品です。
3. ベトナムに投資するETF
ベトナムは、近年急速に成長している新興国の一つであり、多くの投資家が注目しています。Cboeでは、ベトナム市場に特化したETFも上場予定であり、ベトナムの成長を享受したい投資家にとっては大きなチャンスとなります。
Cboeの利用方法とそのメリット
Cboeを利用することで、投資家は多様な金融商品にアクセスでき、ポートフォリオを効果的に分散させることができます。また、Cboeは取引の透明性が高く、公平な取引が行われているため、初心者から上級者まで安心して利用できる点が魅力です。
特に30代の投資家にとって、Cboeは次のようなメリットがあります。
1. 分散投資が容易
Cboeでは、ETFを活用することで、少額からでも分散投資が可能です。これにより、リスクを抑えつつ、さまざまな市場やテーマに投資することができます。
2. リスク管理がしやすい
オプション取引を利用することで、ポートフォリオ全体のリスクを効果的に管理できます。例えば、株式市場が下落した際に、プットオプションを購入して損失を限定することが可能です。
3. 最新の投資商品にアクセス
Cboeは常に新しい投資商品を上場しているため、投資家は最新の市場トレンドに基づいた投資が可能です。特に、成長市場や新興市場に投資したいと考えている30代の投資家にとって、Cboeは最適なプラットフォームです。
まとめ
Cboeは、オプション取引をはじめとする多様な金融商品を提供する取引所であり、その取扱銘柄は常に進化しています。特に、競争優位性に着目したMOAT ETFや、リスク管理に優れたバッファーETF、成長市場であるベトナムに投資するETFなど、幅広い選択肢を提供しています。
30代の投資家にとって、Cboeは分散投資やリスク管理、そして新興市場への投資など、さまざまなニーズに応える取引所です。Cboeを活用することで、より多様でバランスの取れたポートフォリオを構築し、長期的な資産形成を目指すことが可能です。
今後もCboeに注目し、新たな投資機会を見逃さないようにしましょう。詳細な取扱銘柄や最新の情報については、Cboeの公式ウェブサイトで確認することをお勧めします。
参考文献
- Cboe Global Markets, Inc. "Cboe Global Markets Overview." https://www.cboe.com.
- Investopedia. "What Is Cboe Global Markets?" https://www.investopedia.com/terms/c/cboe.asp.
- Motley Fool. "Why Cboe Global Markets Stock Jumped in July." https://www.fool.com/investing/2024/07/15/why-cboe-global-markets-stock-jumped-in-july/.
- Morningstar. "The Wide Moat Focus Index: A Better Benchmark." https://www.morningstar.com/articles/1041284/the-wide-moat-focus-index-a-better-benchmark.
- ETF.com. "Buffer ETFs: How They Work And What To Know." https://www.etf.com/sections/features-and-news/buffer-etfs-how-they-work-and-what-know.
- Financial Times. "Vietnam ETFs Are Drawing Investor Interest." https://www.ft.com/content/58d8d57c-d1f7-11ea-9cbd-9fcef28c22c3.