FRBとは何のことか知りたい方へ
用語の意味や為替・株式投資への影響を教えて欲しいな。
本記事では、このような疑問に答えます。
この記事を書いている かしわもち は、米国株投資歴8年のブロガーです。
今回は、米国の中央銀行制度に関する用語であるFRBを解説します。
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FRBとは?
FRBとは、連邦準備制度理事会の略語で、米国の中央銀行業務を行う機関のことです。
日本銀行のアメリカ版に相当する機関です。
米国の景気や雇用、物価を安定させることを目的に、米国の金融政策を決定しています。
米国の中央銀行制度の仕組み
米国の中央銀行制度は、以下の3つの組織が中心となり運営しています。
- 連邦準備制度理事会(FRB)
- 連邦準備銀行
- 連邦公開市場委員会(FOMC)
FRBは全体を監督する機関で、米ドルの発行など実際の中央銀行業務を行う12行の連邦準備銀行を総括する役割を担っています。
FOMCは米国の金融政策を決定する会合で、FRBの理事7名と連邦準備銀行の総裁5人で構成されています。
FRBが米国経済に果たす役割
FRBとFOMCには、最大限の雇用と物価の安定が2つの使命として定められています。
雇用に対する使命を担う中央銀行は珍しく、FRBは毎月発表される雇用統計のデータの動向次第で金融政策の調整を行っています。
例えば、FOMCで利上げ/利下げするのか、するとしたら何%なのかを決定します。
FOMCの開催スケジュール
FRBは、FOMCの会合を6週間ごとの火曜日に年8回開催し、金融政策を決定します。
3/6/9/12月に開催される会合では、終了後にFRB議長が記者会見を行い、金融政策や経済状況について説明をします。
過去の例からも、利上げや利下げは会見がある3の倍数月に決まると考えられています。
政策金利の利上げ・利下げの効果
FRBは、政策金利であるフェデラルファンドレート(FF金利)の誘導目標を調整します。
よく出てくる用語として、FOMCのメンバーのうち、利上げに積極的な派閥をタカ派、消極的な派閥をハト派と呼んだりします。
米国の政策金利の利上げ・利上げが景気や為替・株式に与える影響を学んでいきましょう。
景気との関係
政策金利の利上げ・利下げは、一般的には次のように調整されます。
- 好景気によるインフレ時
政策金利を利上げして景気の過熱を抑える - 不景気によるデフレ
政策金利を利下げして景気を刺激する
政策金利が高いと資金が回りにくくなって景気が抑制され、政策金利が低いと資金が回りやすくなって景気が刺激されます。
例えば、リーマンショックの大暴落の後には、政策金利はFRBによって0.25%という歴史的な低水準まで引き下げられていました。
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為替への影響
米国の政策金利の利上げ・利上げによる為替への影響は次の通りです。
- 政策金利の利上げ
ドルの価値が相対的に上がり、円安ドル高になる - 政策金利の利下げ
ドルの価値が相対的に下がり、円高ドル安になる
資金は金利が低い資産から高い資産へ流れていくため、利上げ・利下げによってドルの価値が相対的に変化します。
しかし実際には、利上げ・利下げは予測されていて為替相場に織り込み済みであることが多く、理論通りに動かないことも多いです。
株式への影響
米国の政策金利の利上げ・利上げによる米国株式への影響は次の通りです。
- 政策金利の利上げ
理論上は株価が下落する。実際は好景気時に利上げするため、一時的には上昇相場であることが多い。 - 政策金利の利下げ
理論上は株価が上昇する。実際は不景気時に利上げするため、一時的には下落相場であることが多い。
企業は銀行から資金を借りてビジネスをしているので、利上げすると返済額が増えて業績が悪化するというのが基本的な考え方です。
グローバルビジネスを行う米国企業の業績悪化は、世界中の企業に影響してしまい、世界的な株安に連鎖するという歴史があります。
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FRBに関連する経済指標
経済指標とは、経済を構成する要因を数値化した指標で、各国の公的機関が発表します。
為替や株式の相場は経済状況によって上下するので、経済指標は相場の方向性を予測する上で非常に役立つツールです。
特に、次の5種類の経済指標が、相場に大きな影響を与えるとして重要視されています。
- 金利に関する経済指標
政策金利 - 景気に関する経済指標
GDP、景況感調査 - 雇用に関する経済指標
非農業部門雇用者数、失業率 - 物価に関する経済指標
消費者物価指数、生産者物価指数 - 貿易に関する経済指標
貿易収支
ポイントとして、マーケットで重要視されるのは予想値に対する発表値のブレで、その差が大きいほど相場が動くことが多いです。
経済ニュースにはアンテナを張る
投資家であれば、FRBの動向などの経済ニュースにアンテナを張ることが重要です。
経済状況をきちんと把握して、相場の動き方を知っておくことは、投資の確度を上げることにつながります。
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まとめ
今回はFRBについて、FOMCなどの用語の意味や利上げ・利下げの影響を解説しました。
記事のポイントをまとめます。
ポイント
- FRBとは、米国の中央銀行業務を行う機関で、日本銀行の米国版に相当します
- FOMCの会合を6週間ごとの火曜日に年8回開催し、金融政策を決定しています
- FRBとFOMCには、最大限の雇用と物価の安定が使命として定められています
- 政策金利が上がると円安ドル高になり、下がると円高ドル安になります
- 株式に対しては、政策金利が上がると株安になり、下がると株高になります
ITバブル崩壊やリーマンショックはFRBによる利上げが1つの引き金となりました。
株式投資家やFXトレーダーの方は、FRBの動向には必ず気を配りましょう。
以上、「FRBとは何か」でした。