米国株のサーキットブレーカーを知りたい方へ
制度の概要や暴落発生時に対応方法を教えて欲しいな。
本記事では、このような疑問に答えます。
この記事を書いている かしわもち は、米国株投資歴8年のブロガーです。
今回は、米国株のサーキットブレーカー制度をわかりやすく解説します。
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米国株のサーキットブレーカーとは?
サーキットブレーカーとは、株価が大きく下落した時に、発動される売買停止措置です。
米国株の場合は、次のような3段階でサーキットブレーカー制度が設定されています。
米国株のサーキットブレーカー制度について、もう少し深掘りして解説していきます。
投資家を冷静にすることが目的
米国株のサーキットブレーカーは、投資家を冷静にすることを目的に導入されました。
株式市場で暴落が発生した際に、投資家がパニック状態に陥り、売りが売りを呼んで株価の下落が止まらなくなることがあります。
サーキットブレーカーにより強制的に売買を止めている間に、投資家に冷静になってもらうことで、相場を安定させます。
ブラックマンデーが導入の発端
米国株のサーキットブレーカーは、1987年のブラックマンデーを発端に始まりました。
ブラックマンデーでは、NYダウの終値が前週末より22.6%も下がり、1日の下落幅としては史上最大となりました。
現行のサーキットブレーカー制度は、発動基準をNYダウからS&P500にするなどの変更を加え、2012年に改定されたものです。
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個別銘柄でも取引停止があり
米国株の個別銘柄においても、株価が急変動した際に取引を停止する制度があります。
S&P500に含まれる個別銘柄で、前日の終値が3ドル以上のものは次の制度に従います。
- Level1
米国時間の15:35までに過去5分の平均価格から15秒5%以上変動したら、5分取引を停止する。 - Level2
米国時間の15:35以降に過去5分の平均価格から15秒10%以上変動したら、5分取引を停止する。
このような個別銘柄の取引制限は、リミットアップ/リミットダウン制度と呼ばれます。
2020年コロナショックでの取引停止
サーキットブレーカー制度は、2020年3月9日のコロナショックで初めて発動しました。
コロナショックとは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い経済活動が停滞し、世界中の株式市場が暴落した事件です。
日経新聞では、次の通り報道されています。
新型コロナ感染拡大や原油安を受けた週明けのダウ平均株価は急落して始まり、下げ幅は一時2000ドルを超えました。S&P500は取引時間中に7%超下落、すべての株式売買を一時中断するサーキットブレーカーを発動しました。#新型コロナウイルス #新型肺炎 #COVID19https://t.co/JygJfabXy6
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) March 9, 2020
米国でのコロナ感染拡大
米国では3月頭あたりから感染者が拡大し、各州で非常事態宣言が出されました。
世界経済を牽引してきた米国での感染拡大は、世界経済に深刻な影響を与えるのではないかという懸念を引き起こしています。
多くの投資家は、コロナウイルスによる経済への影響を判断するのは難しいと考え、投資資金を引き揚げ始めました。
サプライチェーンの混乱
コロナウイルスの影響が大きい中国は、多くの業界でサプライチェーンを支えています。
一方で、感染拡大による労働者不足や物流停滞などの理由から、中国の工場の稼働率は大幅に落ちている状況です。
特に、エレクトロニクス業界では部品供給断による影響が大きいと言われています。
原油安も暴落の引き金に
運が悪いことに、産油国の競技決裂による原油安も株価暴落の引き金になりました。
前週末にサウジアラビアとロシアが減産で合意できず、サウジアラビアが増産する姿勢を示し、原油先物相場が急落していました。
産油国の財政悪化という悪材料も加わり、市場の混乱が起きてしまった形です。
サーキットブレーカー発生時の対応方法
最後に、サーキットブレーカー発生時など米国株が暴落した時の対応方法を解説します。
暴落が定期的に起こるのは当たり前であり、投資家の腕の見せ所です。ポイントとして、次の3点を意識してみてください。
それぞれのポイントを確認していきましょう。
とにかく冷静になること
まずは、焦って投げ売りなどしないように、とにかく冷静になることが大切です。
サーキットブレーカー制度の目的にもあるように、理性を保つようにして冷静さを失わないようにしてください。
実際、冷静になれば暴落は好機でもあります。高値圏にあった米国株がバーゲンセールになった状態とも考えられます。
現状を正しく把握する
続いて、自分が保有している現状の資産を正しく把握することに努めてください。
米国株の各銘柄はどのくらい下落しているのか、現金はいくらあるのかを確認します。
現状の資産を把握するには、資産管理アプリのマネーフォワードが役立ちます。
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信頼できる情報を収集する
信頼できる金融メディアから、次の行動へ向けた情報を収集しましょう。
一時情報を元に、世界の経済ニュースや株式市場の状況にアンテナを張り、今後の動向を探ることが非常に重要になってきます。
米国株関連で信頼できる金融メディアは、以下の2つです。もちろん、いずれも日本語で米国株の情報収集が可能です。
ウォールストリートジャーナル
ウォール・ストリート・ジャーナルは、米国で発行されている世界最大の経済新聞です。
日経新聞の米国版とも言える位置付けで、金融経済の専門家による一次情報が、ニュースやコラムとして配信されています。
日経新聞と同じく有料コンテンツとなりますが、2ヶ月100円のお試し購読もできるので活用してみてください。
言語切り替えで、日本語表示に切り替えができます。(スマホはページ最下部)
モトリーフール
モトリーフールは、米国株を中心とした情報を日本語で配信する金融メディアです。
米国株のリサーチに強みを持っていて、「市場相場の状況」や「個別銘柄の情報」がわかりやすく提供されています。
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まとめ
今回は米国株のサーキットブレーカーについて、制度の概要や対応方法を解説しました。
記事のポイントをまとめます。
ポイント
- サーキットブレーカーとは、株価が急落した時に発動する売買停止措置です
- S&P500の下落幅に応じて、3段階のサーキットブレーカーが設定されています
- 1987年のブラックマンデーをきっかけに作られた制度で、相場を安定させます
- 2012年に改定された現行制度は、2020年のコロナショックで初発動しました
- 暴落の発生時には、きちんと情報収集をして、冷静に判断することが大切です
米国株のサーキットブレーカーは、投資家に冷静な判断を促すために設定されています。
暴落時には不安感が募り冷静さを失いがちなので、正しい情報を入手しておきましょう。
以上、「米国株のサーキットブレーカー制度」でした。